
おたけの郷ブログ
【施設長ブログ】 Sさん と 僕
Sさん「毛呂さん!お金ちょうだい!」
事務所にSさんの声が・・・
僕「来た・・・(笑)」
Sさんは4階にお住まいの方。
施設長に就任する前、僕は4階のフロア責任者を担っていたのだが、その頃からよくSさんと一緒に出掛けていた。
咀嚼(噛む力)と嚥下(飲み込む力)が低下しているSさん。けれども「美味しい物が食べたい」という気持ちが非常に強く(当たり前の事だが)、時々Sさんと一緒に近所のちょっとおしゃれな和菓子屋に行き、ちょっとこじゃれた水ようかんを買ってはSさんにプレゼントしていた。
その頃の記録がまだハッキリと残っているのか、今でも「毛呂さん」という名前は覚えており、「毛呂さんはお金持ちで何か買ってくれる人」という事も覚えているようで(実際はお金持ちなんかではない笑)、時々事務所に来ては笑いながら「毛呂さん!お金ちょうだい!」と仰る事がある(笑)
この日は、Sさんにとっては幸運な事に、僕にとっては残念な事にたまたま僕が事務所におり、Sさんを事務所にお連れした職員が僕にこう言ってきた。
「Sさん、明日誕生日なんですよ」と。
これは、Sさんが僕に何か買ってくれと言っているのではなく、連れてきた職員が「Sさんに何かプレゼントしてあげてくださいよ。日ごろから毛呂さん毛呂さんって連呼してますよ」と言っているのでは?と思いつつ(笑)
時刻は16:10
残念ながら(笑)その時間以降の僕の予定は何もなし。
職員に「現場は人手、余裕ある?」と聞くと、「全然余裕ですよ」というため、何年ぶりだろう…Sさんと久々にちょっとおしゃれな和菓子屋に行く事にした。


買ったものはお決まりの水ようかん(笑)
袋に入れてお渡しすると「ありがとう」と仰り無事に帰宅。
おそらくご自分の部屋で職員と一緒に美味しく召し上がったのだと思う。
・・・召し上がったのだと「思う」
僕はSさんが水ようかんを食べている姿を見ていない。
敢えて食べる場面には立ち会っていない。
ブログの締めに向かいなんだか寂しい話になってしまうが(笑)
Sさんが事務所に来た時から
Sさんは「僕が毛呂さんである」という事を認識していない事に気づいていたからだ。
「毛呂さん」という言葉(単語)は記憶し続けているものの、「毛呂さんがどの人か」という事までは覚えていない。顔と名前が一致していないのだ。
せっかく美味しい物を食べる事ができる機会なのに、誰だかよくわからない男の人がそばにいて一緒に食べるより、日ごろから一緒に過ごしている慣れ親しんだ職員が隣にいた方が良いに決まっている。
別にメンヘラでもなんでもないですよ(笑)
現場を離れて4年以上。
毎日顔を合わせているわけではないので、忘れられていて当然って思ってますし
「毛呂さん」っていう名前だけでも憶えてくれているのはとても光栄な事です。
僕という存在に相当インパクトがあったのでしょうね(笑)
またいつでも事務所にいらしてくださいね。
偶然(笑)お会いしたら、また水ようかん買いにいきましょう。
毛呂征也